ヘッド燃焼室。燃焼室の形状はバスタブ型と呼ばれるタイプでしょうか?給排気のバルブ径は同じです。左側が排気バルブです、やはりこちら側は焼けています。上にあるのが点火プラグで中心にコイル状のヒ−タ−があります。コイツが赤熱して混合気を発火させています。 暗くてよく見えませんが、排気バルブをリフトさせた状態です。
ビス1本を外せばロッカ−ア−ムはユニットで外せます、前回紹介したFA−80T同様、バルブクリアランスの調整が出来るようになっています。 ヘッドより分離した給排気バルブ。
左:排気  右:吸気   バルブコッタ−はC形のクリップで、バルブステム端の溝に差し込んだ後、バルブSPにて押し上げられるリテ−ナ−で固定されます。
リテ−ナ−はおわん型でクリップがはまるように凹形の断面形状です。
(う〜ん、この部分説明が長いぞ)
丸裸のシリンダ−ヘッド。
バルブガイドとバルブシ-トリングは一体物で、材質は砲金でしょうか?ステムシ−ルはありません。
給排気ポ−トの形状は機械加工のせいでしょう、ツ−ルの形状そのままです。仕上がりはキレイですけど・・・。シ−トカットは無いように見えますが、ほんのわずかに面が加工してあります、角度は90度と思います。バルブフェイスも90度でしたからたぶん?
インマニ分離。吸気管が抜けたことにより、インマニの分離が可能となります。4本のキャップボルトを外して分離完了。 インマニとキャブの分離。見たまんまです、キャブの構造はFA80−Tと同様の原始的なものです。形は違いますけどね!あとFF320はシングルキャブという点がFA80−Tとの違いです。取り扱いの容易さを考慮したものなのでしょうか?
ヘッドが外れたところで、ピストンの様子を見てみましょう。まずは左側ですが、ピストンの位置が写真の状態の時、右側は→ 右側は写真のようになります。水平対向であることが一目瞭然ですね。
赤い点は分解に備えてのマ−キングですので気にしないで下さい。
フロント回りの分解。
ドライブワッシャ−を外します、クランクシャフトとドライブワッシャ−は半月キ−で位置決めされているだけなので、逆さまにするだけでとれてしまいます。簡単だね!
フロントハウジングの取り外し。
大小計10本のボルトを外します。ハウジング周辺の補強リブが異常に多いです。
フロントハウジングを外すとこんな感じ。クランクシャフト前端は大小2個のベアリングで支持されていました。シャフト下方の小さいベアリングはカムシャフトの支持用です。又、フロントハウジングとクランクケ−ス間にはガスケットはありません。 リアハウジングの取り外し。
これまた10本のボルトを外します。上方にあるニップルは余分な潤滑油の排出用です、FA80−Tにもありましたね。
リアハウジングを外すとこんな感じ。
クランクシャフト後端に歯切りされたギアによりカムシャフトが駆動されます、減速比は2:1です。カムシャフト後端はリアハウジングに設置されたベアリングにより支持されます。
上:クランクシャフト側
下:カムシャフト側
タイミングギアには合わせマ−クがあるので組み立て時にはきちんと合わせておきます。
リアハウジングが外れるとカムシャフトが抜き取れます。タペットが引っかかることもあるので回しながら引っ張ります。 カムシャフト。タイミングギアと一体式で一組のカム山を左右のシリンダ−で共用しています。このことから左右同時爆発では無いと予想できます。点火順は解りませんけど。