プラグ交換のレポ−トです。NAと違って同じEJ系でもタ−ボ車のプラグ交換は面倒です。4年ぶりの交換作業をご覧ください。VXプラグを使っている理由もなにやら解ります・・・
今回のプラグ交換では、最近はやりのイリジウムプラグを使用してみます。現在使用中のプラグは8万kmほど走っていますので、もうそろそろ交換しても惜しくないころです。本当は純正同タイプのBKR6EVXにする予定でしたが、BKR6EVX−11しか売っていません。どうやら製品の統合があったようですね。ギャップを詰めて使えば良さそうですが、思い切ってイリジウムプラグのBKR6EIXにしました。1000円分の割引券もあったことですし・・・。
 イリジウムプラグは、ご覧の通り中心電極が細いです。直径0.6mm、VXタイプのプラチナプラグは確か0.8mmですから、更に細いわけです。電極が細いと、スパ−クに要する要求電圧が低くなります。したがって電装系への負担が減るというわけですね。逆に言えば、電装系がそのままなら余裕が出来るとも考えられるので、火花も強くなる。そんな理屈も成り立ちそうです。
交換作業開始!右側から作業を始めます、手始めにエアフロ−のコネクタ−を外します。中央の黒い四角形がエアフロ−、その上の灰色のヤツがコネクタ−です。まずはコイツを引き抜きます。 コネクタ−を外したら、エアクリ−ナ−ケ−スのアッパ−側を外します。4本のビスを外しますが、上側2本は簡単に作業できます。しかし・・・
下側2本は周囲が狭く、手が届きません。
画像のようにソケットとエクステンション及びユニバ−サルジョイントを用意してやる必要があります。
続いてエアフロとレゾネ−タをつなぐダクトのバンドを緩めます。入り口と出口、両方緩めときます。
ここまでくれば、アッパ−ケ−スが外せるようになります。ケ−スを持ち上げながら、ダクトから抜く方向へ動かせば外れてくれるはずです。この時、エアフロ−に衝撃を与えない様に注意しましょう。 クリ−ナ−エレメントを取り除いた後、ロワ−ケ−スを取り外します。ケ−ス下部のボルト2本を外してしまいます。
ロワ−ケ−スの上部、フェンダ−側にはレゾネ−タ−(フェンダ−内に有り)からのダクトがありますが、これは差し込まれているだけなので、ケ−スをエンジン側に引っ張れば外れてくれます。 ロワ−ケ−スを取り除くと、ケ−スのブラケットが残ります。これも作業の邪魔になるので外してしまいます、両端のボルトをはずしてしまいましょう。当車はABS付なので、前端はABSのブラケットと共締めになります。
ブラケットを外せば点火コイルに手が届くようになります。点火コイルの取り付けボルト各2本を外しますが、両方のコイルを同時に外すのはやめときましょう。1本づつ作業したほうが邪魔にならず良いと思います。 ボルトを外しただけでは、まだコイルの先端がプラグをくわえているので、手で引っ張っても取れにくいです。−ドライバ−などを使ってこじり出すようにすると簡単に取れると思います。
外れた点火コイル。
光の加減で灰色に見えてますが、実際は黒色です。当車はダイレクトイグニッションなので各シリンダ−ごとに点火コイルを有しています。プラグコ−ドはありません。
コイルを外したところで、今度はプラグ本体の取り外しとなります。16mmのプラグソケットとエクステンションを駆使してプラグを外しましょう。
プラグホ−ルにソケットを差し込みます、中の様子は見えないので、手探りでの作業です。ソケットがプラグにしっかりと掛かっているのを確かめてから緩めます。
旧プラグ取り外し完了。プラグソケットは内部に磁石が入っており、プラグが勝手に落ちることはありません。
続いてソケットに新しいプラグをセットし、取り付け作業に移ります。プラグ先端をぶつけたりしないように注意しましょう。ネジ部の異物も厳禁ですね。 プラグねじ込みの際は、いきなり工具を使って回してはいけません(他の部分でもそうですけど)。プラグ先端の損傷やネジ部を痛める原因にもなりますからね。エクステンションの後部を手でつまんで回します、回せなくなったらそこで着座状態。ここで工具を使って締めこみます、1/3〜1/2回転です。ガスケットを潰し切らない範囲という事です。
残る一方も同様に作業を行います。
後はコイルの取り付けボルトを元通りにセットすれば、右側の作業は完了です。
右側の交換作業終了。引き続き左側の作業に移ります。
外したプラグを見て見ましょう。
中央のガイシ部分が白くなっています、電極部分も白っぽく焼けてます。先ずは正常な燃焼をしていると見ていいでしょう。現在のエンジンはリ−ンバ−ン(希薄燃焼)が基本なので、昔で言う焼けすぎ状態が普通でしょう、こんがりキツネ色なんて事はありません、もしそうだったら異常燃焼だと思います。
 先端部外周の金属部分はススけていますが、ヘッドに近いため温度が低いのが原因かとは思います、450度以下では、カ−ボンが燃えずに残ってしまうそうです。
 温度以外にもブロ−バイによる影響もありそうです、この分だと燃焼室内部にもカ−ボンの堆積がありそうな予感がします。
プラグの熱価・・・私なりの見解です。熱価とはプラグの放熱性を数値で表したもので、NGKの場合は数字が大きいほど冷え型、小さいほど焼け型になっています。同じ熱量を受けるものとすれば、冷え型は暖まりにくく、焼け型は暖まりやすいということになります。先に記したように450度がひとつの境ですから、プラグの温度を適正に保ち、カ−ボンの付着を防ぐためには、燃焼温度が低いと予想されるエンジン、低速運転が主のエンジンなら焼け型のプラグ。逆に高速型のエンジンなら冷え型のプラグがメ−カ−装備されているものと思います。
 サ−キット走行ならいざ知らず、一般的な走行においてプラグが溶けかかっていたり、逆に黒くススけていたり(特にガイシ部)しても、熱価の変更で解決しようとするのは感心しません。先ずそうなった原因を突き止めてやらないと本末転等になってしまいます。