今回は、クラッチマスターシリンダのリペアキットを使用したオーバーホールと、クラッチオペレーションシリンダのオーバーホールを実施しました。
 近頃、と言っても実際には数年前からですが・・・、クラッチペダルを踏むたび、ギギッと音がするようになりました。原因は不明ですが、どうもマスターシリンダの辺りから音がするようなので、もしかしたら、マスターシリンダのピストンの劣化かも?と思い、マスターシリンダのオーバーホールを行うこととしました。前回の交換から既に15万キロが経過していますから、もうそろそろ交換しても良い頃?でしょう。用意したのは上の画像の2点。左がマスターシリンダリペアキット、右がオペレーションシリンダリペアキット。キットの内容はそれぞれ下の画像の通りです。因みに、マスターシリンダキットの内容画像は新品の写真を撮り忘れたので、古いもので代用しています。
マスターシリンダリペアキット。
内容は、ピストンASSYとサークリップ、ゴムカバーの3点。
オペレーションシリンダリペアキット。
内容は、ピストンASSYとゴムブーツ、ブリーダーのゴムキャップの3点。
いきなりインタークーラーの取り外し中ですが、ここが一番の難所。タービンからインタークーラーへと続くダクト部分です。私はメガメレンチでこじって外しています。エンジンが暖かい内に作業すると簡単に外れます。
インタークーラーを外すとオペレーションシリンダが現れます。しかしながら、ホース等があるため、作業環境としては、あまり歓迎できないものあります。オペレーションシリンダについては、別コーナーの参考資料をご覧下さい。
この時点で、既にオペレーションシリンダのリペアは完了しています。続いてマスターシリンダの取り外しをしますが、その前にリザーブタンクのフルードを出来るだけ抜いておきます理由は配管の切り離しがあるので、その際の漏れを最小とするためです。私は、オイルポンプを利用して作業しました。
フルードの抜き取りが終わったら、配管の切り離しです。作業の際はフレアナットレンチを使用します。通常のスパナでは作業してはいけません。ナットの角を潰してしまう可能性が高いです。
配管の切り離しが終わったら、マスターシリンダを外します。車内側でも、ロッドエンド部のピンを外す作業がありますが、それが終わったとしてのお話。リザーブタンク左右に見えるナット2個を外します。シリンダ左側にも、カバー用のボルトがありますから、これも緩めます。
あとはマスターシリンダを前方に抜くだけ。
簡単な作業に見えますが、実際にはかなり面倒です。一番面倒なのは車内側の作業でしょうか?狭いところでピンの抜き取りなどをしますから。
取り外したマスターシリンダ。
これは車内側の部分です。ゴムカバーを外した状態ですが、前回のオーバーホール時に塗布したグリースが残っています。かなり劣化していますが、洗浄すればキレイになります。
マスターシリンダのリサーブタンク基部。
内側が黒く汚れていました。フルードも黒ずんでいたので、ピストンやシリンダの磨耗を予想していましたが・・・
ピストンの新旧比較。
上が旧品。下が新品。
金属部分は磨かれて銀色に光っていましたが
ゴムシール部には劣化はありませんでした。
洗浄並びに、各部品の入れ替えも完了した状態です。あとはこれを車両に戻せば良いわけです。
取り付け完了。取り急ぎ、他の部品を元通りに組み立ててやれば作業完了となります。
作業後記
 今回は、いつもよりは画像は少なめです。ホントはもっと画像があるはずだったのですが、うっかり消去してしまったため、残った画像でHPを更新する羽目になりました。クラッチマスターシリンダの分解を、詳細に報告した記事は少ないので、詳しく報告したかったのですが・・・。
 さて、マスターシリンダのオーバーホールに踏み切った理由ですが、冒頭でも述べた通り、異音の発生があります。ペダルを踏んだときにギギッと音がします。この音を解消するべく作業を行ったのですが、その結果としては失敗でした。相変わらず異音はしています。どうやら、マスターシリンダは原因では無かったようですね。無駄骨を折ったようですが、15万キロ無交換でいましたから、あながち無駄ともいえないでしょうか。原因の候補が1つ消えただけでも儲け物と思っておきましょう。
 また、作業の途中で気が付きましたが、クラッチオペレーティングレバー(ミッションから上に突き出てるヤツ)のゴムカバーが劣化して穴が明いていました。ひょっとしたら、ここから水が入って内部に錆が発生しているのでは?異音の原因はそれかも?時間の都合もあるので確認はしていませんが・・・。

 それよりも、作業中に気が付いたのですが、エンジンルーム内のゴムホースの劣化には困りました。新車購入より16年が過ぎていますから無理も無いのでしょうが、ホースの抜き取りの際、ホースが折れて千切れてしまいます。仕方ないので千切れた部分を切断してつなぎ直そうとしますが、ホース全体が劣化しているため、今度はニップルに差し込む際に割れてしまいます。だましだまし補修しましたが、新たな問題が発生してしまいました。やれやれ・・・
作業後記・・・続編
 マスターシリンダのオーバーホールから三日後のこと、仕事を終え、帰宅途中のことでした。家の近くまで来た時、シフトダウンのためクラッチを踏むと突然ペダルが無くなってしまいました、正確に言うとペダルが奥に行ったまま戻らなくなってしまったワケですが、一瞬ですが頭の中が真っ白になってしまいました。とりあえず路肩に止まって状況を考えたのですが、考えられるのはオペレーションシリンダ分解時の作業ミス。クラッチホースのユニオンボルトの締め付け不足でした。
 とにかく、このまま止まっていても仕方ないので、自宅までの数百メートルはクラッチ無しで走行しました。週末に点検・修理をすることにして車両はガレージに放置状態。時が来るのを待つ事としましたが、ここで一思案。ホントにボルトの緩みが原因か?もしかしたらホースがダメになったかも?
 この疑問が拭いきれないので。ホースとガスケットを手配することにしました。最近はディーラーでパーツを頼むと、特殊な物でも無い限り、翌日には届くので助かります。

そして迎えた週末・・・以降は次のページです。