STI・4ピロー・ラテラルリンクの破損修理のリポートです。
修理といっても、ただ単に部品の交換をおこなうだけですが。
 破損に気が付いたのは、2008年の五月。デフオイルの交換をしていた時、右側のスタビリンクがプラプラなのに気付いたのが最初。当初は、リンクのナットが脱落したのかと思いましたが、よくよく見ると、ブラケットがちぎれているのが解りました。長期間揺さぶりを受けている間に、金属疲労を起してしまったようです。考えてみれば、このパーツを使い始めて以来、すでに10万キロが経過しています。構造的に見ても、そろそろ寿命が来ても不思議ではありません。ブラケット部分の単品販売も有ることが判明し、多少の手を加えた上で交換をしてみることとしました。
破損したブラケット部分。
ものの見事にちぎれています。ナットは緩んでおらず、ちぎれた鉄板をはさんだままになっていました。
交換にあたっては、破損対策として座金を追加してみました。座金の大きさは外径30mm、厚さは3mmで、これを両側に追加しています。気安めとは思いますが、無いよりはマシかと思います。
 五月に破損に気付いた時点で、リンクは外してありますので、リンクの取り外しは無く、すぐにラテラルリンクロッドの分離に入れます。
ロッドのエンド部を貫通しているボルトを外します。ナット側に回り止めのレンチをかけて回しますが、締め付けが強いので、それ相応の工具を用意しておきたいところです。ブラケットは、リアハウジングに被さっているだけなので、ボルトを抜けば簡単に外れます。
ブラケット取り外し後のリアハウジング。
 キットの説明書には、場合によっては車体側に追加工が必要とありますが、画像の右上部分に出っ張りが残っている場合があるようです。当車においては、出っ張りが無いので追加工は不要となります。
新旧ブラケットの比較。
特に差異はないのですが、新しい物では、取り付け穴周辺には塗装がしてありません。
ブラケットの破損は右側のみですが、左側もついでに交換しておきます。ブラケットの単品販売がありますが、左右1セットなので、同時に交換しないと、もったいないですから。
作業中に発見したこと。
 左側のドライブシャフトブーツが切れていました。新車購入後、無交換だったのですが、ついに寿命が来たようです。
新しいブラケットをリアハウジングに被せます。あとはボルトを差し込んで締め付けるだけ。実に簡単な取り付け方で、少々不安になりますが、これでも緩むこと無く機能してくれてます。 ボルトを差し込む際、標準では首下にワッシャーが入っていますが、ピロー化の際には不要となります。いっぱいまで差し込んだら、ナットをかけて締め付けです。締め付けトルクは14kgにしておきました。
ロッドの取り付けが完了したら、スタビリンクとスタビライザーを結合します。締め付けトルクは4kgとしておきました。 組み立て完了状態の右側部分。
特に意味はありませんが、組み立て完了状態の左側。下は作業終了後のリア全景です。
<作業後記>
 ブラケットの破損に気が付いたのは08年の5月。パーツを入手したのが8月。交換を行ったのが12月。実に半年以上の時間をおいての作業となってしまいましたが、これと言うのも、スタビが効かない状態に慣れきってしまい、修理に緊急性を感じなかった事。次回の車検までに状況を復帰させておけば良い!という言わば馴れ合い的理由。この2つが大きな理由なのですが、実際に修理を完了してみると、コーナーの立ち上がりで後から押される様な感覚が蘇っており、コーナーが楽しくなってしまいました。そういえば、昔は確かにこんな感覚がありましたっけ。長いこと忘れていました。
 あってもなくても同じ様にも感じてしまいますが、あると無いとでは大違い。そんなパーツだったんですね。