過去に取り外して保管されている純正部品に脚光をあててみました。あんまり意味はないのですが、作業前のイメ−ジトレ−ニングにでもなれば・・・。
クラッチ・オペレーティングシリンダ編
オペレティングシリンダの役目、クラッチ・マスタ−シリンダで生じた圧を受けピストンロッドが前進、レリ−ズフォ−クを介してクラッチの断続を行います。(簡単過ぎる説明で申し訳ありません)EJ20の場合、シリンダは水平に対し尻下がりでセットされています。 イキナリ分解です。まずはピストンロッドを外します。ゴムカバ−の後ろの方をめくるようにして外します、ロッドも一緒にとれてきます。
ゴムカバ−を外すとシリンダの奥にピストンが見えます。ピストンは後方からエア−を吹くなり、指で引き出すなりして取り出します。私は口を使って吹き出しました。(貧) ピストンが引き出された様子。ご覧の通り特別な固定機構はありません。ただ差し込んであるだけなんですね。この事実は重要です。
ピストン拡大。アルミ製のピストンで金色のアルマイト処理がしてありました。後方にVパッキンがセットされ、加圧スプリングもセットされています。Vパッキンはシリンダ内圧を受けると傘型に開こうとするのでシリンダ内壁への密着が高まります、その状態で前進して行く訳ですね。よってシリンダのキズつきは禁物です。スプリングは内圧0時のずり下がり防止と思います。 ピストンとスプリングも簡単に分離してしまいます。ピストンのロッド側は円錐状となっており、ここにピストンロッドが差し込まれます。ロッド先端は球状のため、互いのセンタ−は自動的に決まり、作動時の位置ずれも皆無となります。
ピストンロッド。左側がレリ−ズフォ−ク側です。右側がピストンへ差し込まれる方です。ゴムカバ−との関係はこれまた差し込んであるだけです。 ピストン加圧スプリングの後方、つまりシリンダの底部に白いプラスチック製のカラ−があります。なんの目的で付いているのかは定かではありません。
シリンダ加圧ポ−ト。クラッチホ−スの取り付くところです。 フリ−ダ−の取り付け穴。わかりにくいですけど奥の方は円錐状になっています。
ブリ−ダ−ニップル。先端がテ−パ−になっています。この円錐部が取り付け穴奥の円錐部のエッジと接触してシ−ルされる訳ですね。(う〜ん解りにくい説明だ)したがってこのあたりにゴミをかみ込んだりすると漏れの原因となります。 ブリ−ダ−は中空で、先端部下の穴と通じています。エア抜き時に緩めると先端のシ−ルが開放され、穴を通じてフル−ドが排出されてきます。ネジ部分にはシ−ルがないのでネジ周辺からも少し漏れますね。
各構成部品を並べるとこんな感じですか。組み立ては奥の部品から順番に入れていくだけですが、組み立て時にはブレ−キフル−ド又はラバ−グリ−スの塗布が必要です。ピストンやVパッキンの周辺とシリンダ内壁ですねあとロッドとピストンの接触部はグリ−スがいりますか。 エア抜きの際、尻下がりのためエアが残りやすいとよく言われます。そこでシリンダを外して前傾させた状態でエア抜きすると良いとも聞きます。が、ここで問題があります、今までご覧になった通り中身の部品は固定されていません。したがって不用意にペダルを踏み続けるとピストンが飛び出してしまう可能性もあります。ガムテ−プを巻いておくなりの措置はとった方が良さそうですね。
エア抜き時にエアが残りやすい理由。シリンダが尻下がりなのもそうですが、ブリ−ダ−ポ−トが真上より下にあるのも一因かと思います。写真の矢印がシリンダ取り付け状態時の真上を示します。

この記事を作るにあたって事件が一つ、フル−ドがまだ残っていたのでしょう、ピストンを押したとたんに加圧ポ−トからフル−ドが飛び散ってあたり一面に降り注ぎました。後始末に一苦労ではありました。